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生産性UP!タンク加熱に最適な高性能ヒーターの選び方と導入メリット

2025.07.15

冬の生産トラブル、今から防げます!

寒冷期に向けて、タンク内の液体や原料が固化・凍結してしまうリスクは、現場の大きな悩みのひとつ。

内容物の粘度が高くなれば、移送・充填・撹拌のすべてに支障が出て、生産ラインの停止や品質劣化を引き起こしかねません。だからこそ、秋になる前の“早めのタンク加熱対策”が重要です。

この記事では、タンク内の内容物を効率的かつ安全に加熱するためのヒーター選定ポイントを徹底解説します。

冬の突発トラブルを未然に防ぎ、安定した生産体制を整えるために。貴社の現場に合った“高性能タンク加熱ヒーター”を見つけるヒントとして、ぜひご活用ください。

タンク加熱の重要性と現場での課題

製造や加工の現場において、タンク内の原材料や製品を適切な温度で管理することは、生産効率や品質、安全性に直結します。

とくに、寒冷期を迎えるとタンク内の液体や半固形物が凍結・固化し、作業の遅延やトラブルを引き起こすケースが少なくありません。

そこで重要になるのが「タンク加熱」という工程。ヒーターによってタンクの内容物を適切な温度に保つことで、以下のような目的を果たすことができます。

内容物の粘度調整と品質保持

チョコレート、油脂、接着剤、化粧品原料、塗料など、多くの液体は温度によって粘度が変化します。加熱することで粘度を下げ、ポンプでの移送や充填がスムーズに。

また、一定温度を保つことで結晶化や品質劣化も防げます。

プロセスの効率化

流動性の向上により、撹拌や移送、排出などの工程が効率化できます。ライン全体のボトルネックを解消し、生産スピードも向上します。

凍結・固化の防止

とくに冬季には、低温によって内容物が凍結・固化してしまうリスクが高まります。これを防ぐための加熱は、トラブル回避や設備保護の観点からも不可欠です。

しかし、現場でタンク加熱を導入・運用するにはいくつかの課題もあります。

  • 内容物の性質やタンク形状による加熱ムラ
  • 精密な温度制御が必要なプロセスへの対応
  • 電気代や燃料費といったランニングコスト
  • 設置スペースや防爆対応といった安全性確保

こうした課題を理解したうえで、タンク加熱に最適なヒーターを選定することが、“秋冬の安定稼働”と“生産性の最大化”の鍵となります。

 

タンク加熱に使われるヒーターの種類と特徴

タンクの加熱には、内容物の性質やタンクの材質、設置環境に応じてさまざまなヒーターが使われます。ここでは、主要なヒーターのタイプとその特長を紹介します。

タンク内に直接設置するヒーター(内部加熱タイプ)

投げ込みヒーター

もっとも手軽に導入できるタイプで、液体に直接ヒーターを沈めて加熱します。

熱効率が高く、昇温スピードに優れる一方で、内容物によっては接触を避けたい場面もあるため、用途を見極めることが重要です。

メリット

  • 高い熱効率で短時間昇温が可能
  • 設置・撤去が簡単でメンテナンス性に優れる
  • 小規模な加温用途に最適

注意点

  • 液面が下がると空焚きリスクあり(液面センサーとの併用が推奨)
  • 粘性が高い液体や衛生管理が求められる現場では不向き

シーズヒーター

金属製のシース管に発熱体を内蔵した構造で、腐食性液体や高温用途にも対応。

タンク内・外どちらにも設置可能で、幅広い産業で使用されています。

特長

  • 耐久性が高く、多様な液体に対応(チタンやインコネル材など)
  • フランジタイプでの固定設置が可能
  • 空焚き防止・温度制御センサーの内蔵も容易

タンクの外側から加熱するヒーター(外部加熱タイプ)

バンドヒーター

ドラム缶やペール缶に巻き付けて使用する帯状のヒーター。

設置が簡単で、粘度低下や保温に効果的ですが、大型タンクには向きません。

ジャケットヒーター

タンク全体を覆うように設計されたヒーターで、加熱ムラが起きにくく、省エネ効果も高いのが特長です。

食品や医薬品、化学製品の加温に適しています。

パネル・シートヒーター

薄型の発熱体をタンクの側面や底面に貼り付けて加熱するタイプ。

狭いスペースや樹脂タンク、FRPタンクにも対応できる柔軟性があり、凍結防止や低温加温に最適です。

特殊な加熱方式

蒸気・温水加熱

工場全体でボイラーや温水配管がある現場では、ジャケットを通じて蒸気・温水を循環させる加熱方式も有効です。

均一な温度管理が可能で、火気厳禁エリアにも対応。

電磁誘導加熱(IH)

金属タンク自体を加熱体として利用する最新技術。

非接触で効率的な加熱が可能で、メンテナンス性にも優れますが、導入には専門的な設計が必要です。

 

後悔しない!タンク加熱ヒーター選定のチェックポイント

タンク加熱ヒーターの導入では、単に「温められればいい」という判断だけでは、コストの無駄や品質トラブル、安全リスクにつながることがあります。

最適なヒーターを選ぶには、内容物・タンク・温度・運用環境といった多角的な要素をバランスよく見極めることが大切です。

加熱する“内容物”の特性を正しく把握する

内容物の性質は、ヒーター選びの最重要ポイントです。粘度、引火点、腐食性の有無などによって、選ぶべきタイプや材質、安全対策が大きく変わります。

▼ポイント例

  • 高粘度な液体(アスファルト、樹脂、チョコレートなど):ジャケットヒーターや内部加熱型ヒーター+撹拌装置の併用が効果的
  • 引火点が低い溶剤(シンナー、アルコールなど):防爆構造のヒーターが必須
  • 腐食性の液体(酸、アルカリ、薬品類):チタン・インコネル・フッ素樹脂など、耐食性材質の選定が必要

タンクの“材質・容量”に合わせた加熱方式を選ぶ

タンクがステンレス製か樹脂製かによって、適した加熱方式は異なります。

また、容量が大きいほど必要な熱量も増えるため、ヒーター出力の計算や断熱対策が重要です。

▼材質別ヒーター選定の例

  • ステンレス・鉄製タンク:投げ込み/バンド/パネル/ジャケットなど幅広く対応
  • FRP・樹脂製タンク:耐熱温度を超えないよう注意しつつ、シートヒーターや低温設定可能なパネル型が適している

▼容量が大きい場合の工夫

  • 熱量計算に基づき複数ヒーターを分散配置
  • タンク全体を覆うジャケット構造
  • 放熱ロスを減らす断熱材の施工

必要な“温度・昇温時間”を明確に設定する

目的に応じた目標温度と、そこに達するまでの昇温時間を設定することで、適切な出力・制御方式の選定につながります。

▼例

  • 40℃までを1時間以内に昇温させたい → 高出力ヒーターが必要
  • 温度を一定に保ちたい → PID制御やセンサーによる自動調整機能が有効

“設置環境”と“安全性”も忘れずに確認する

防爆エリアや屋外設置、湿度が高い場所など、設置環境によっては安全性を最優先する必要があります。

▼重要な安全対策

  • 防爆エリア:Zoneに応じた耐圧・安全増・本質安全などの構造選定
  • 過昇温防止:サーモスタット・温度ヒューズ・空焚き防止装置
  • 漏電対策:アース接続+漏電遮断器の設置は必須

高性能タンク加熱ヒーター導入による3つのメリット

タンク加熱ヒーターは単に「温める」だけの装置ではありません。

性能の高いヒーターを導入することで、生産性・コスト・安全性という3つの軸で大きな効果を得ることができます。

① 生産効率が大幅に向上する

高効率ヒーターは、短時間で設定温度に到達できるうえ、ムラなく加熱できるのが特長です。

  • 昇温時間の短縮 → 待機時間の削減 → 生産スピードUP
  • 粘度管理の最適化 → 撹拌・移送・排出がスムーズに
  • ラインのボトルネック解消 → 日あたり処理量の増加

とくに冬季に発生しやすい「固まっていてポンプが回らない」といったトラブルを未然に防げることは、現場にとって大きな安心材料です。

② 電気代を抑え、ランニングコストを削減

省エネルギー設計のヒーターや、精密な温度制御システム(PID制御など)を活用することで、必要なときに、必要な量だけを加熱する運用が可能になります。

  • 熱効率の高さ → ムダな加熱を防ぎ、電力消費を最適化
  • タンク断熱との併用 → 保温効果アップで消費エネルギーを削減
  • 長寿命設計 → 頻繁な交換が不要になり、メンテナンスコストも低減

目に見えにくい電気代・燃料代こそ、長期的には大きなコスト差になります。

③ 安全性が高まり、トラブルを未然に防ぐ

高性能モデルには、以下のような多重の安全装置が搭載されていることが一般的です。

  • 過昇温防止(設定温度を超えると自動停止)
  • 空焚き防止(液面低下時の自動停止)
  • 漏電遮断器の標準装備
  • 防爆仕様のラインナップも豊富

作業者の安全を守りつつ、製品ロスや設備損傷のリスクを最小限に抑えることができます。

 

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現場課題を見極めた、最適なタンク加熱ヒーターを提案

OKAMOTOは、熱制御に特化した専門商社として、製造業・化学・食品など多様な業界の設備ニーズに応えてきました。

内容物の性質、タンクの材質・容量、設置環境まで丁寧にヒアリングし、最適なヒーターの種類・容量・制御方法を的確にご提案します。

製品手配から制御設計・施工連携まで、ワンストップで対応

「ヒーター本体だけ」ではなく、保温材・温度センサー・制御盤などの周辺機器も含めてトータルにご提案。

制御設計から設置業者との仕様調整まで一括でサポートできるため、導入までの手間や不安を大幅に軽減します。

「まだ具体的に決まっていない」段階でも大歓迎です

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そんな状態でも問題ありません。資料提供やお見積りの目安提示など、無料で対応いたします。

 

冬のトラブルを防ぐなら、今こそタンク加熱の見直しを

冬季は、生産ラインにとって想定外のトラブルが起きやすい時期です。内容物の凍結や粘度上昇によって移送ができなくなる、温度ムラによる品質劣化が起きる――

こうした事態を防ぐには、「早めの対策」こそが最大のリスクマネジメントです。

この記事で紹介したように、タンク加熱ヒーターには多様な種類があり、現場の状況や用途に合わせて選定しましょう。

高性能なヒーターを適切に導入すれば、生産性向上・電気代削減・安全性強化といった多くのメリットが得られます。ぜひ、今のうちからヒーター選定・導入を完了させ、安全な冬の生産体制を整えてください。

お気軽にお問い合わせください。