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シーズヒーターの電気代は高い?他ヒーターとの比較とコストを抑える選び方

2025.06.25

「シーズヒーターって電気代が高いのでは?」

そんな不安を感じていませんか?

産業機器や加熱装置に幅広く使われるシーズヒーターは、頑丈で長寿命な反面、ランニングコストに不安を抱える方も少なくありません。しかし実際は、適切な製品選びと使い方次第で、シーズヒーターはコストパフォーマンスに優れた選択肢となり得ます。

この記事では、シーズヒーターの仕組みや消費電力の計算方法、他の加熱方式との電気代の違い、そして賢く選ぶためのポイントまでを解説します。

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シーズヒーターとは?基本の仕組みと特徴

内部構造と加熱のしくみ

シーズヒーターは、発熱体(ニクロム線など)を金属管(シース)で覆い、絶縁材で固定した構造の電気ヒーターです。

通電により内部の発熱体が加熱され、その熱がシースを通じて液体や気体、金属部品などに効率的に伝わります。

この「シース構造」によって、耐久性・耐熱性・安全性に優れ、加熱効率も高いことが特長です。

なぜ選ばれる?シーズヒーターの強み

家庭用よりも業務用・産業用での利用が多く、「高出力・長時間稼働・高温対応」といったニーズに応える加熱機器として重宝されています。

  • 幅広い加熱対象に対応:水、油、薬品、金属、空気など、多様な媒体に使用可能
  • 過酷な環境にも強い:高温や腐食性のある環境でも使えるシース素材(ステンレス・インコネルなど)
  • 高い熱効率:必要な場所にピンポイントで熱を伝えるため、ロスが少ない
  • 形状カスタマイズが容易:曲げ加工・サイズ調整など、設置環境に合わせた自由設計が可能

シーズヒーターの電気代はどうやって決まる?

シーズヒーターの電気代は、次の計算式で求められます。

電気代(円)= 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電気単価(円/kWh)

たとえば、1kWのシーズヒーターを1時間使った場合、電気単価が30円/kWhなら電気代は「1 × 1 × 30 = 30円」です。

非常にシンプルな式ですが、出力が大きく、長時間使う工業用途では電気代もかさみやすくなるため、正確な試算が重要です。

シーズヒーターの消費電力はどのくらい?

製品や用途によりますが、代表的な出力例は以下の通りです。

  • 小型機器:300W〜1kW
  • 中型タンク・装置:1.5kW〜3kW
  • 大型加熱工程:5kW〜10kW以上

たとえば「3kWのヒーターを1日8時間、月20日使う」場合の電気代は、

3kW × 8h × 20日 × 30円 = 14,400円/月

稼働時間が長い場合ほど、出力の選定と制御の工夫がコスト差に直結します。

他の加熱方式と比べたシーズヒーターの電気代

加熱設備にはさまざまな方式がありますが、シーズヒーターは構造がシンプルで、熱効率が高いのが特徴です。

発熱体から直接熱が伝わるため、ロスが少なく、設定温度までの立ち上がりも早いのも利点だといえます。

他方式との比較(簡易モデル)

導入のしやすさ・電気代・メンテナンス性のバランスを考えると、シーズヒーターは非常に優れた選択肢です。

 

加熱方式

電気代(目安)

特徴

シーズヒーター

◎ 比較的安価(ロスが少ない)

初期費用が安く、保守も簡単

スチーム(ボイラー)

△ 燃料代+電気代がかかる

ランニングコストが高め

IHヒーター

◯ 制御性高いが高コスト

精密機器向け。初期費用が高め

熱風ヒーター

△ 空気加熱のため効率が低め

ヒーター自体は比較的安価

 

特に工業用途では、トータルでのコストメリットが期待できます。

シーズヒーターの消費電力を抑えるコツと工夫

シーズヒーターの電気代は、「出力(kW)×使用時間×電気単価」で決まります。つまり出力を抑える、使用時間を短くする、ムダを減らすことで電気代の削減につながるのです。

ムダな加熱を減らすための4つの工夫

使い方を見直すだけでも電気代の削減は可能です。

適切なサイズ・出力のヒーターを選ぶ

加熱対象が小さいのに出力が高すぎると電気のムダになります。容量と必要温度に合った出力設計が重要です。

保温性を高める(断熱対策)

断熱材や保温カバーを使うことで熱の逃げを防ぎ、再加熱の頻度が減少。結果的に消費電力が下がります。

温度センサー・制御装置を活用する

温度を自動で制御するシステムを導入すれば、常時加熱の必要がなくなり電力使用を最適化できます。

定期的な点検と清掃

ヒーター表面にスケールや汚れがあると加熱効率が悪化します。定期メンテナンスで効率を維持しましょう。

業務用シーズヒーターの導入事例と電気代の実例比較

下記の実例から、適切なヒーター選定と使い方で電気代は十分にコントロール可能であることがわかります。

導入例1:食品工場での加熱工程(出力3kW)

ある食品工場では、3kWのシーズヒーターを1日8時間、月20日間使用。電気代は以下のように計算できます。

3kW × 8h × 20日 × 27円/kWh ≒ 月12,960円

従来のオイルバス装置と比べ、加熱までの立ち上がり時間が短縮され、電気代も2割削減できました。

導入例2:化学薬品の温度維持(出力5kW)

薬品保管タンクの保温目的で、5kWのヒーターを1日4時間、月25日間使用。電気代は以下の通りです。

5kW × 4h × 25日 × 27円/kWh ≒ 月13,500円

断熱材を併用し、使用時間を最小限に抑えた運用でコスト効率も向上。従来方式より年間約6万円の電気代削減が実現しました。

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以下のようなサポートを通じて、導入コストとランニングコストの最適化を実現します。

最適な出力・サイズをプロが提案

加熱対象の材質・容量・温度条件をもとに、過不足のない出力設計をサポート。「必要以上に高出力なヒーターで電気代がかさむ…」という事態を防げます。

熱ロスを抑える周辺提案も

シーズヒーターだけでなく、断熱材や温度制御機器など、総合的な加熱効率の改善にも対応。トータルで見た時の電気代削減に貢献します。

カスタマイズ対応・技術相談が可能

「特殊な設置条件」「防爆が必要」などにも、豊富な実績と技術で柔軟に対応。BtoB・BtoC問わず、業種・現場に応じた最適解をご提案できます。

 

まとめ|シーズヒーターの電気代を左右するのは“選び方”

シーズヒーターの電気代は、「何をどれだけ加熱するか」「どんな環境で使うか」によって大きく変わります。

安易に“省エネ”をうたう製品を選ぶだけでは、かえって出力不足や効率低下により電気代がかさむことも。

本記事では、以下のような視点から電気代の適正化を解説しました。

  • シーズヒーターは電力を熱に変える効率が高い反面、加熱効率を下げると消費電力も増える
  • 加熱対象・温度・時間に応じた「適切なワット数」の設計が重要
  • 保温性・断熱性・制御機器の有無も電気代に大きく影響する
  • ガス・灯油・熱風式などとのコスト比較には、導入・運用面の違いも考慮すべき

こうした複雑な要素を踏まえて“最適解”を導き出すには、専門家のサポートが不可欠です。

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