「水加熱ヒーターってどうやってお湯を作ってるの？」「電気とガスで加熱する違いってなに？」そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では水を加熱するヒーターの仕組みや種類、選び方をヒーター初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。

家庭用から産業用まで幅広く使われている水加熱ヒーター。電気・ガス・灯油など熱源の違いや、加熱方式による特徴の違いを知れば、用途に合った最適なヒーターを選べるようになるのでぜひチェックしてみてください。

水加熱ヒーターとは？

水加熱ヒーターとは、電気・ガス・灯油などのエネルギーを熱に変換し、水を温めるための装置です。家庭では電気ケトルや給湯器、産業分野ではボイラーや加熱設備など、さまざまな場面で活躍しています。

目的や設置環境に応じて、加熱方式・熱源・出力・サイズなどが異なるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。

水加熱ヒーターの主な種類と特徴

水加熱ヒーターは、主に使う熱源の違いで以下の3つのタイプに分類されます。

	電気ヒーター	ガスヒーター	灯油ヒーター
説明	電気で発熱する	ガスを燃焼させて加熱	灯油の燃焼熱で加熱
メリット	クリーンで制御がしやすい	火力が強くて即応性あり	燃料コストが安く維持しやすい
デメリット	ランニングコストが高くなることも	換気が必要、設置制限あり	補充が必要、臭いが出る場合も
主な用途	電気ケトル、IH、電気温水器	ガスコンロ、ガス給湯器	石油ストーブ、給湯器

水加熱ヒーターの選び方

水加熱ヒーターを選ぶ際には、用途、必要な水温、設置場所、コストなどを考慮する必要があります。

例えば、短時間で大量のお湯が必要な場合は、ガス給湯器のような高出力のヒーターが適しています。一方で省スペースで手軽に利用したい場合は、電気ケトルのような小型のヒーターが便利です。

また、設置場所の状況によっては、ガス給湯器の設置が難しい場合もあります。それぞれの特性を理解し、最適なヒーターを選びましょう。

 

 

水加熱ヒーターの基本的な仕組み

水加熱ヒーターは、電気エネルギーやガスエネルギーなどを熱に変換し、水を温める装置です。

その基本的な仕組みは、熱源から発生した熱を水に伝えることで温度を上昇させるというものです。熱の伝わり方には、主に伝導、対流、放射の3種類があります。

1.伝導

物質同士が接触することで熱が移動する現象です。

例えば、フライパンを火にかけると、火の熱がフライパンに伝わり、フライパンが熱くなります。水加熱ヒーターでは、発熱体から水槽に直接熱が伝わる場合に伝導が利用されます。

2.対流

液体や気体の中で温度差が生じた際に、温かい部分が上昇し、冷たい部分が下降することで熱が移動する現象です。お風呂のお湯が温まるのは対流の例です。

水加熱ヒーターでは、加熱された水が循環することで水槽全体が温まる場合に、対流が重要な役割を果たします。

3.放射

電磁波によって熱が伝わる現象です。太陽の熱が地球に届くのは放射の例です。一部の水加熱ヒーターでは、赤外線放射を利用して水を温めるものもあります。

ヒーターによる直接加熱と間接加熱の違い

水加熱ヒーターには、直接加熱方式と間接加熱方式の2種類があります。

直接加熱方式は、発熱体を水中に直接入れて加熱する方法です。電気ポットや電気給湯器などがこの方式を採用。加熱効率が高く、短時間で水を温めることができますが、発熱体が水に接触するため、水質に影響を与える可能性があります。

間接加熱方式は、発熱体を水と隔離し、容器などを介して間接的に加熱する方法です。エコキュートやボイラーなどがこの方式を採用。水質への影響が少ないというメリットがありますが、直接加熱方式に比べて加熱効率がやや劣る傾向があります。

代表的な加熱方式

水加熱には、様々な加熱方式があります。以下に代表的なものを紹介します。

• 抵抗加熱：ニクロム線などの抵抗体に電流を流すことで発熱させる方式。電気ポットや電気給湯器などで広く利用されています。

• 誘導加熱：電磁誘導を利用して金属製の容器自体を発熱させる方式。IHクッキングヒーターと同じ原理です。加熱効率が高く、安全性にも優れています。

• ヒートポンプ：冷媒を圧縮・膨張させることで熱を移動させる方式。エコキュートなどで利用され、省エネルギー性に優れています。

• ガス燃焼：ガスを燃焼させて発生する熱で水を温める方式。ガス給湯器などで利用されています。火力が強く、短時間で大量のお湯を沸かすことができます。

 

目的に合ったヒーターはどれ？種類と選び方

水加熱ヒーターは、その構造や加熱方式によって様々な種類に分類されます。それぞれの種類によって得意な用途や特徴が異なるため、目的に合ったヒーターを選ぶことが重要です。

ここでは、代表的な水加熱ヒーターの種類と特徴について解説します。

用途ごとの選び方

水加熱ヒーターを選ぶ際には、加熱する水の量、必要な温度、設置場所、電源の種類などを考慮する必要があります。

例えば、少量の水を急速に加熱したい場合は、シーズヒーターが最適です。一方、大量の水をゆっくりと加熱したい場合は、間接加熱方式のヒーターが適しています。

また、屋外で使用する場合は、防水性に優れたヒーターを選びましょう。

現場ごとの課題やニーズの違い

現場によって抱える課題やニーズは様々です。

例えば、工場では生産効率の向上や省エネルギー化が求められますが、家庭では安全性や使いやすさが重視されます。これらのニーズに合わせて、最適なヒーターを選ぶことが重要です。

 

種類	加熱方式	特徴
シーズヒーター	直接加熱	熱応答性が良く、急速加熱が可能。コンパクトで設置しやすい。
ニクロム線ヒーター	直接加熱	安価で汎用性が高い。形状の自由度が高い。
カートリッジヒーター	直接加熱	金属パイプの中に発熱体を封入した構造。熱効率が高く、高温での使用が可能。
電磁誘導ヒーター（IH）	間接加熱	電磁誘導を利用して加熱するため、熱効率が高く、安全。
間接加熱式電気温水器	間接加熱	タンク内の水を温める方式。大量の水を保温することが可能。

上記以外にも、セラミックヒーターやハロゲンヒーターなど、様々な種類の水加熱ヒーターが存在します。

それぞれの特性を理解し、用途に最適なヒーターを選択することで、効率的な加熱と省エネルギーが実現可能です。

 

水加熱ヒーターの選定に必要な3つのポイント

水加熱ヒーターは、多様な種類とそれぞれに異なる特性を持つため、導入現場の課題やニーズに最適な製品を選定することが重要です。

誤った選定は、エネルギー効率の低下や故障、安全性に関わる重大な問題を引き起こす可能性があります。

3つのポイントを抑えることで、これらのリスクを回避し、最適な加熱ソリューションを実現できます。

① 用途に応じた性能と材質の選定

加熱したい水量や温度、加熱スピードに応じて、適切な出力・容量を選びましょう。

さらに、使用環境（水質・薬液など）に合わせて、ステンレスやチタンなど耐食性のある材質を選定することが重要です。

②安全性と制御システムの重要性

水加熱ヒーターは高温になるため、安全性に配慮した設計と運用が不可欠です。

過熱防止装置や漏電遮断器などの安全装置を適切に設置するだけでなく、温度制御システムを導入することで、安全かつ効率的な運用を実現できます。

関連する法令や安全基準を遵守し、安全性を最優先に考えてシステム構築されたものを選びましょう。

③ 設置・運用コストの最適化

ヒーターの設置場所やメンテナンスの容易さも重要な選定基準です。現場の状況を正確に把握し、最適な設置方法とメンテナンス計画を立てましょう。

設置スペースの確保、配管の配置、定期的な点検や清掃のしやすさなどを考慮することで、長期的な運用コストを削減できます。

初期費用だけでなく、エネルギー効率や維持費も考慮し、長期的なコストパフォーマンスの高い製品を選びましょう。

 

OKAMOTOが提供する「水加熱」ソリューション

産業用ヒーター専門商社としての豊富な実績とノウハウを活かし、OKAMOTOは「水を加熱したい」というさまざまな現場の課題に最適な解決策を提案しています。

現場環境や用途に合わせた製品選定から、オーダーメイド設計、導入後のサポートまで、ワンストップで対応します。

用途や設置環境に応じた多彩なヒーターラインナップ

OKAMOTOでは、投げ込みヒーター、フランジヒーター、ネジ込みヒーター、シェル型ヒーターなど、多種多様なヒーターを取り扱っています。

タンクや配管、装置の仕様に応じたオーダーメイド設計も可能で、加熱容量、サイズ、取付方法などの細かいご要望にも柔軟に対応可能です。

現場に最適なヒーター選定と設計サポート

食品・飲料製造、化学・薬品工場、洗浄装置、温水供給システムなど、各業界特有のニーズに応じて、経験豊富なスタッフが最適なヒーターの選定と設計をサポートします。

腐食性の高い液体（純水、薬液など）には、ステンレス、チタン、ハステロイなど、耐久性に優れた材質を用いて長寿命かつ安全な製品をご提供します。

安全性と省エネ性を両立する高効率設計

空焚き防止機能や温度制御システムの導入により、安全かつ効率的な運用が可能です。また、省エネ・高効率な設計により、ランニングコストの削減にも貢献します。

 

まとめ｜用途に応じたヒーター選びで、水加熱の効率と安全性を高める

水加熱ヒーターは、家庭用から産業用途まで幅広い分野で活用されており、使用目的や設置環境に応じて最適な種類を選ぶことが重要です。

ヒーターの種類や制御方式、材質選定などを適切に行うことで、加熱効率の向上や省エネ、安全性の確保が実現できます。

OKAMOTOでは、こうしたニーズに対応できる多様な製品ラインナップと、現場に即した提案力を強みとしています。

お客様ごとの課題や仕様に合わせたオーダーメイド対応や、導入後のアフターサポートも充実しており、初めての方でも安心してご相談いただけます。

「最適なヒーターがわからない」

「設備にぴったり合う製品を探している」

など、水加熱に関するお悩みは、ぜひOKAMOTOにご相談ください。専門スタッフが最適なソリューションをご提案します。

資料請求やお見積り、技術相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。