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電熱ヒーターの仕組みや選び方を解説!種類や導入事例もご紹介

2024.12.10

製造工程や産業機器において、適切な温度管理は生産性と品質に直結する重要な課題です。

 

しかし、用途にあわない電熱ヒーターを選定してしまうと、電気代の無駄遣いや加熱ムラ、さらには機器の故障リスクを招く可能性があります。

 

本記事では工業用電熱ヒーターの種類や選定のポイントを、実際の導入事例を交えて解説します。

 

製造現場の課題を解決する最適なヒーターシステムの選び方が理解できますので、ぜひ参考にしてください。

 

なお、株式会社OKAMOTOではヒーター専門商社として培った豊富な実績と経験を活かし、用途に応じた最適なヒーターソリューションをご提案します。

 

お客様の製造現場の課題を解決しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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電熱ヒーターとは

電熱ヒーターとは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して加熱をおこなう産業用機器です。

 

ジュール熱の原理を利用し、電流が流れる際の抵抗によって発生する熱を、製造工程における様々な加熱用途に活用します。

産業用の加熱装置には、ガスバーナーや蒸気式など様々な方式がありますが、電熱ヒーターは以下の特長をもつため、多くの製造現場で採用されています。

 

  • 温度制御の精密さと応答性の高さ
  • 安全性と取り扱いの容易さ
  • 設置場所を選ばない省スペース性
  • クリーンな加熱方式による環境負荷の低さ

 

近年では、カーボンニュートラルへの取り組みが進むなか、CO2排出量削減に貢献できる電熱ヒーターの需要が高まっています。

製造業のスマート化が進む現代において、電熱ヒーターは温度管理の自動化や遠隔制御にも対応できる理想的な加熱ソリューションです。

 

 

電熱ヒーターの選び方

工業用電熱ヒーターは、製造工程の特性や要件に合わせて、5つの重要な観点から選びましょう。

 

  1. 使用用途
  2. 安全性
  3. 耐久性
  4. メンテナンス性
  5. 省エネ性

 

使用用途に応じた適切な加熱方式と容量の選択は不可欠です。

 

たとえば対象物が液体なのか気体なのか、また必要な温度帯や加熱時間によって最適なヒーターは異なります。

また電熱ヒーターの種類は多岐にわたるため、製造現場の課題を解決するヒーターを選定するには、専門的な知識と経験が必要です。

 

株式会社OKAMOTOは、長年にわたりヒーター専門商社として培った豊富な実績があります。

お客様の製造工程における課題に対して、用途に応じた最適なヒーターのご提案から、アフターフォローまでサポートいたします。

 

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電熱ヒーターの種類と使用用途

ここでは電熱ヒーターの種類と使用用途をご紹介します。

 

  1. シーズヒーター
  2. カートリッジヒーター
  3. 面状ヒーター
  4. シリコンラバーヒーター
  5. ランプヒーター

 

詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

1.シーズヒーター

シーズヒーターはニクロム線を金属パイプ(シース)でつつみ、あいだに絶縁材(酸化マグネシウム)を充填した産業用の電熱ヒーターです。

使用用途は多岐にわたります。

 

たとえば、半導体・液晶製造装置での基板加熱、業務用フライヤーなどの厨房機器、プラント配管の加熱保温、さらには化学薬品の加熱などです。

 

とくに以下のような特長を活かした使用方法が一般的です。

 

  • 液体への直接投入による加熱
  • 任意の形状への曲げ加工
  • 最高800℃までの高温での使用

 

シーズヒーターは、用途に応じて最適な材質や形状を選定することで、効率的な加熱と運用が可能です。

 

2.カートリッジヒーター

カートリッジヒーターは、金属パイプの中心に棒状のセラミックに巻き付けた発熱線を配置し、絶縁性の高いMgOパウダーで充填した棒状の電熱ヒーターです。

 

小さなスペースに高ワットを入れることができる特徴があります。

 

おもな使用用途として、金型やプラスチック射出成形機の加熱、包装機械のフィルムシール部分、半導体製造装置、医療機器など高精度な温度管理が必要な工程で採用されています。

 

とくに、金属ブロックへの挿入による局所加熱や、熱板での均一加熱などさまざまな加熱対応が可能です。

 

3.面状ヒーター

面状ヒーターは、絶縁材の間に発熱体を挟み込んで面状に加工した電熱ヒーターです。

薄型で柔軟性があり、被加熱物の表面に密着させて均一な加熱が可能な特徴をもっています。

 

おもな使用例として、半導体製造装置のウエハー加熱や液晶製造装置のガラス基板加熱、食品製造機器のホットプレートなどがあげられます。

 

とくに大面積の均一加熱が必要な工程や、設置スペースに制約がある場合に効果的です。

また、温度センサーと組みあわせることで精密な温度制御も実現できます。

 

4.シリコンラバーヒーター

シリコンラバーヒーターは、シリコンゴムシートの中に発熱体を埋めこんだ柔軟性の高い面状ヒーターです。

耐熱性と耐寒性に優れたシリコンゴムを使用することで、-60℃から200℃までの広い温度範囲で使用できます。

 

使用用途として、ドラム缶やタンクの加熱や配管の凍結防止、医療機器の保温などがあげられます。

 

耐久性が高いため、屋外での使用や水回りでの使用、また振動の多い環境下での使用において効果を発揮します。

 

5.ランプヒーター

ランプヒーターは、タングステンフィラメントを発熱体として使用し、投入電力の85%以上を赤外線に変換する高効率な放射加熱装置です。

 

非接触での加熱が可能で、最高1500℃までの高温加熱にも対応できる特徴をもっています。

 

使用用途として、自動車産業における鋼板のホットプレスや半導体製造における酸化膜形成やシリサイド形成、太陽電池の製造プロセスなどがあげられます。

 

クリーンな環境が要求される製造工程や、高速かつ精密な温度制御が必要な場面で、特性を最大限に発揮できる電熱ヒーターです。

 

電熱ヒーターの導入事例

ここでは株式会社OKAMOTOがご提供した、導入事例をご紹介します。

 

  1. 包装機メーカー様の導入事例
  2. 環境試験機メーカー様の導入事例
  3. フライヤーメーカー様の導入事例

 

ぜひ、導入の参考にしてください。

 

1.包装機メーカー様の導入事例

包装機メーカー様の導入事例です。

 

包装工程における金型の動作により、カートリッジヒーターとリード線の接続部分で頻繁な断線が発生し、生産性に影響をおよぼしていました。

 

この課題に対して、弊社では以下の2つの改善をご提案。実施することで問題を解決しました

 

  1. リード線を結合するスエッジドイン方式の採用
  2.  耐久性の高いフッ素樹脂コードの使用

 

改善により断線トラブルは大幅に削減しました。

また、装置の安定稼働を実現。包装ラインの生産性向上に貢献しています。

 

2.環境試験機メーカー様の導入事例

環境試験機メーカー様では、納期短縮とコスト削減を目的にダクトヒーターを規格化して使用。

 

しかし、設備規模に関係なく同じ仕様を採用していたため、過剰な設計となっているケースが発生しております。

 

この課題に対して、以下のアプローチで解決を図りました。

 

  1.  規格化を見直し各設備の風速・風量に応じた最適設計を実施
  2.  使用頻度の高いパターンを体系化し、設計効率を向上

 

結果として、ヒーター本数の最適化によるコストダウンを実現。

 

さらにパターン化された設計プロセスで、従来とおなじ納期対応を維持することに成功しています。

 

3.フライヤーメーカー様の導入事例

フライヤーメーカー様の導入事例です。

 

新型フライヤーの開発において、従来使用していたシーズヒーターの本数削減と加熱効率の向上という課題を抱えていました。

 

この課題に対して、以下の特長を持つフラットヒーターをご提案。

 

  1.  大きな表面積による効率的な熱伝達
  2.  高容量での運転が可能な設計
  3.  少ない本数での必要加熱量の確保

 

結果として、ヒーター本数を削減しながら必要な加熱性能を確保した新型フライヤーの開発に成功しています。

 

株式会社OKAMOTOでは、製造業をはじめとした企業様向けに工業用電熱ヒーターのご提案をいたしております。

 

長年にわたり培ったヒーターの技術と、現場改善のノウハウでお客様に最適なヒーターの導入のサポートをいたします。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

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